2018年2月7日水曜日

第7期 根室市高齢者保健福祉計画・根室市介護保険事業計画(案)について

2017年1月31日

 根室市介護保険事業運営委員会は、「第7期 根室市高齢者保健福祉計画・根室市介護保険事業計画」(案)について了承し、根室市長に答申しました
 同計画案は、現在パブリックコメントを根室市のホームページ等で募集しています
 市では3月1日まで意見を募集していますので、ぜひみなさん、計画案をご覧いただいて、たくさんの意見をだしましょう!

第7期(2018年度~2020年度)65歳以上の介護保険料が値上げに!

計画案によると第7期(2018年度~2020年度)の根室市の1号被保険者(65歳以上の方など)が支払う介護保険料の基準額は、年額51,600円(月額4,300円)です
現在(第6期計画)は年49,200円(月4,100円)ですので、年間2,400円(+4.9%)の引き上げです。

そもそも介護保険料はなぜ値上げになるのか?

保険料が引き上げとなった要因について、市担当課によると

  • 将来的な人口推計では65歳以上の人口は2018年をピークに減少するが、一方で75歳以上の人口だけをみると2025年度まで増加していく。
  • 要介護認定率は近年横ばい状態だったが、今年度は再び伸びており、今後もさらに伸長する見通しとなっている。
  • したがって介護給付費・予防給付費に高額介護サービス費や地域支援事業等の給付を合わせた「標準給付費」は今後も伸び続ける見込み。
  • このままでは2025年ごろに必要となる1号被保険者の介護保険料がさらに高額となることが推計されており、それを抑制するために「基金」は今期で使い切らず一定度を温存することにした。

と説明されています。

なおこの計画案のサービス利用量については、あらたに認知症グループホーム(18床)や、認知症対応型デイサービスの新規開設を見込んでいるそうです。
このように介護を必要とする人が増えれば、介護サービスが増えれば、それだけ介護保険料があがる。社会保険の「悪魔のサイクル」と揶揄される仕組みです。

介護保険事業運営基金は増えてきている

 現在の第6期計画期間中(2015年度~2017年度)は介護保険の「基金」を取り崩し、保険料の引き上げ幅を抑制する予定でした。
ところが介護給付費が予想よりも伸びず、逆に保険料が余ったため基金を積み増してきました。その額は2016年度末で約2億4,700万円となっています。
4月からの第7期計画案でも、再びその基金をおよそ半分程度(約1億4,466万円)取り崩して保険料の上げ幅を抑制するとしています。しかし本当に推計どおりになるかどうかは誰も分かりません。
もちろん各自治体では何度も計算して赤字にならないギリギリの線を保険料として算定しますが、そもそも将来の「リスク」を正確に見通すことなど出来るはずがありません。
このように介護を社会保険にするという国の制度設計そのものが大きな誤りと考えます。

第7期根室市介護保険事業計画の基本理念:
住み慣れた地域で、自分らしく生き生きと安心して住み続けられるまち
に、ふさわしい制度とするために

 ちなみに今の根室の介護保険料は、道内35市中で登別市(月3,700円)に次いで2番目に低い保険料です。旭川市では月5,835円にもなっています……という説明がよく言われます。
しかし他の町と比較したところで、大変に厳しい年金収入で暮らす方が負担する保険料が引きあがることに変わりありません。
 標準保険料に該当する階層で最も年金額が低い方は、ひと月に約6万7,000円ほどです。その中から介護保険料として4,300円も天引きされます。
2000年4月の介護保険スタート時は月2,600円の標準保険料でしたから、1.65倍にまで引きあがっています。
受け取る年金額は削減され続けているのにかかわらず、です。
 
しかも老後を支える介護サービスが質・量ともに充実してきているかといえば、残念ながらまだまだ不十分な現状にあります。
特に年々増加し続ける独居高齢者(単身)世帯・高齢者のみ世帯の生活を地域で支えるには、入所施設も、在宅サービスも、インフォーマルサービスを含め日常生活をささえる様々な「支援の手」が足りません。また介護や福祉の現場で働く専門職も足りません。
残念ながら現在の介護保険制度では、家族が頑張って介護して、ようやく在宅生活が成り立っているような状況の方が多くおられます。逆に言えば家族の力が無ければ、住み慣れた地域で暮らし続けることが困難であるということです。

 まして2018年度からの制度改正では、8月から一部の利用者負担が2割から3割に引き上げられるなど、給付を抑制し、自己負担を引き上げるための対策が今後ともさらに進められます。
 高齢者人口の割合やサービス量に応じて負担が大きくなる、公費負担を増やし、今の国の介護保険制度そのものの抜本的見直しを行うことが、なんとしても必要です。

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